アドテクはまだ万能じゃない。人が逆算すべき『ユーザーの未来からの施策設計』について

こんにちは。日本ディレクション協会 副会長の本間です。

いつもはインタースペースという広告会社で広告運用を行いつつ、ディレ協でプロモーション設計やサービス設計の講演をしている人なんですが、今回はちょっとご報告もかねてのエントリーとなります。

『基礎から学ぶWeb広告の成功法則』という本を出しました

基礎から学ぶWeb広告の成功法則 ~Web広告を成功に導く考え方から、明日使える運用テクニックまで~

いきなりの告知ですが、つい先日マイナビBOOKSさんから上記の本を出させていただきました。

内容としてはほぼタイトルの通り。webの媒体特性を理解しつつ、ただの賑やかしに終わらない『成果のでる広告運用』とはどうあるべきか。かなり具体的に解説した一冊となります。

で、今回のエントリーの本題なんですが、この本を執筆中にお会いさせていただいた多種多様な「web広告に関わる人々」との対話で感じていた...というか、感じてしまった事について書いてみようかな?と。

タイトルにもあるますが、アドテク万歳な時代に、人間って結局何をどう設計するべきなんだっけ?みたいな話ですね。

かなり主観になりますが、一応は広告運用に関する書籍を単著で仕上げた人の言葉として、ひとまずご覧いただければと思います。

アドテクの進化と限界

Web専業の広告代理店にいたり、Web広告によく携わる人なら良く聞く「アドテクノロジー(通称アドテク)」。

読んで字のごとく、「アド(広告)」の「テクノロジー」という意味ですが、これの技術的な進歩とともに人の手だけでは到底できなかった細かな広告配信設計や改善が出来るようになってきました。

ほんの一例ですが例えば・・・

  • 1人1人に最適な広告を、勝手にベストなタイミングで配信できる(One to Oneの実現)
  • 機械が勝手に広告効果を見ながら効果改善してくれる(自動最適化)
  • 機械が広告クリエイティブを勝手に作り、最適な人に配信する(クリエイティブの自動生成)

といった感じ。便利です。

ややこしい話を取っ払って言い切ってしまえば、あんまり人間が頭を使わなくても、ほぼ自動で機械が上手いことやってくれる時代になっている。と言ってもいいかも知れないですね。

いや、実際すごい便利です。便利なんですが、もちろんこの仕組みにも大きな課題が存在します。

「そもそもどんなシチュエーションのどんなユーザーを狙うのが正解なのか」
「各ユーザー属性はどう判別するべきなのか」
「最適化されたクリエイティブで成果が伸び悩んだらもう何も出来ないのか」

この辺の、事業としての根幹の課題はアドテク進化前と何も変わらず今もそこに存在しつづけているんです。で、多くの企業担当者さんがそこを『代理店(専門家)に任せるよ』と言い切ってしまう。今も昔も変わらない、大きな課題の一つです。

確かに多くの知見を身につけ、様々な技術を知る。という行為そのものは推奨するべきもの...なんですが、あまりに便利になりすぎて、その便利さに目を奪われすぎて、根本の課題から目を背けてしまっている方、多いような気がしています。

いや代理店の人間として言えば「いいお客さん」なんですが、なんとなく、それじゃマーケターとしてユーザーの顔を忘れてしまうような気がしているんですよね。

必要となる『ユーザーの未来』から発想する力

(少なくとも現状の)アドテクノロジーや人工知能による最適化は「過去データから未来に仮説を立てる」のがメインです。

過去の広告配信データや、第三社が保有するユーザーデータから、「このユーザーにはこのタイミングでこんな商品をオススメすると売れる(はず)」という予測を行い、それを何度も繰り返すことで最適化を行うイメージですね。

その結果無駄な広告配信が減り、CPAが下がる。コンバージョンが増える。

悪くは無いどころか、いいことだらけです。が、この進め方は収束しがちなんですよね。伸びにくいというか。

僕の広告運用経験でも「ある一定までは自動最適で上手く運用できるけど、そこから成果が伸びない」なんてことが結構な頻度でありました。

売れそうな人に売れそうなタイミングで売れそうな広告を出すことは、アドテクによってかなり簡単になりました。でも、売れそうじゃない人にも顧客になってもらわなければ、成果は伸び続けないですよね。

もちろん、アドテクを使った「売れそうじゃない人(潜在層や無関心層)」に対してのアプローチ手法はありますが、まだまだここは人間のクリエイティブ・想像力の方が強いんです。

ユーザーの未来を『こういう気持ちになってもらう為には...』と先に想定し、そこから『だから○○なクリエイティブから■■を知ってもらう必要が...』と発想し施策に落とし込んでいく。

機械が想像する過去からの未来予測と、人間だから想像できる過去にとらわれない未来予測の2つを操ることで、「自動化の波にのまれないマーケター」になれるんじゃないかな?と思っています。

ここからのweb広告な業界で戦うためのスキルセットとは

先ほど紹介した本の中でも書いていますが、僕はこれからのweb広告、webマーケティングの世界で活躍をするためには4つのスキルが必要だと考えています。

いや、偉そうに書くほど難しい話じゃないんですが、以下の様な感じですね。

  • リスティングやDSPといった、広告の理解と運用スキル
  • 広告予算の最適分配や手法の選定、マーケティング活動全体の設計スキル
  • 消費者のニーズや行動を把握解析による分析や計測を行うスキル
  • ユーザー行動を変えるトリガーを理解し設計するスキル

テクノロジーを理解し、人を理解すること。

テクノロジーによる自動最適では見えてこない、人の感情が動き、行動が変わるポイントを設計すること。

ここが理解できてはじめて、テクノロジーに操られるオペレータではなくテクノロジーと相互に補完し合いながらやっていけるマーケターになれるんだと思うんですよ。

基本的な知識スキルと発想のたどり方は拙著で

上記の内容だけじゃ具体的な手法や発想法がわからない!という方へ。もしよければ拙著をアマゾンでぽちってあげてください。宣伝です。

Web広告の基礎基本を紹介する本書ですが、基本スタンスとして、技術より「どうやってユーザーの感情と行動を設計するか」にスポットを当てて書かれています。

感情と行動を変えるための設計が出来れば、その設計通りに広告を出稿するなんてことは機械の自動最適化に任せてしまえばいい。

その辺上手くやるための超具体的なWeb広告設計手法、詰め込みましたので、ぜひに。

基礎から学ぶWeb広告の成功法則 ~Web広告を成功に導く考え方から、明日使える運用テクニックまで~

ついでにセミナー告知も

で、またまた急ですが、上記の書籍の内容がざっくり分かるディレクター向け広告戦略セミナーを開催します。今週末っていうキンキンなスケジュールなんですが、まだ若干の残席ありますので、『本読む時間無い!ザッと教えてくれ!』て方、ぜひにお越しいただければ。

ディレクターが知るべきWebプロモーションとは?LIG's DIRECTION school 2016

プロモーションは広告会社にまかせっきりになってませんか?明日から使えるプロモーション設計の講座を通して、サイトでモノが売れる仕組みをみんなで考えていきましょう。

日時9月18日(日) 13:00~17:00(開場:12:30~)
料金5,000円(セミナー代+ワークショップ+ミートアップ)
会場いいオフィス東京都台東区東上野2-18-7 共同ビル 3F
主催日本ディレクション協会

イベントを詳しく見る