「普通のやりかた」を疑おう。チームマネジメントを失敗させるルールと、成功させる空気

ども。ナカムラです。今回は珍しく(?)チームマネジメントに関するネタ。

実は僕自身マネジメントや管理業務が苦手で嫌いっていうダメな人だったりするんですが、無視できる話でもないよなーと。

で、おなじみデスクトップワークス 田口さんのセミナーでチラッと学んできましたのでそのレポート紹介です。

残業・徹夜が当たり前?浸透してしまった制作会社の変な常識

あんまり認めたくはないですが、Webに限らず制作の仕事って時間がぐちゃっとなりがちです。本当に。

  • 基本終電 / たまに徹夜 がデフォ
  • なぜか「社内の風呂とベッド」が福利厚生扱い
  • 最終的に会社が自宅化して住み着く奴多数
  • そしてそれを「アットホーム」と言い切る風潮

んん...。うん。悲しいけどこれ、現実なのよね。ぶっちゃけ僕もそういう会社たくさん知ってますし、僕自身も経験したこと何度かあります。

で、これがまた結構楽しいもんだからいつの間にか『制作なんだからそれくらいが当たり前だよね』って思考回路になってしまう。

講師の田口さん自身も上記のような状態に陥り、その上で「これって当たり前だっけ?違くね?」てなところから業務フローの見直しと社内マネジメントを動かしたんだとか。

知らずにたどり着いた(らしい)田口流かんばん方式

とりあえず田口さんが業務効率改善をやろうとしてまず着手したのが『徹底的に無駄を省く』という作業。

具体的には「ツールを減らす」とか「無駄な確認作業を減らす」とか「PCの性能と環境を向上させる」とかだったらしいですが、中でも僕が注目したのが以下の考え方。

  • タスクのインプットってそれなりに時間かかって無駄多いよね?
  • なら制作メンバーそれぞれがタスクを予測して動ければ色々早く動けて効率化するんじゃね?

つまりコミュニケーションロスをスタッフの自発的な行動によって削減できれば業務の効率をあげられるんじゃないか?ってことですね。

僕自身、「そんなん分かってるけどどうしようもないじゃん」と思っていた部分だったので、以下で紹介する田口式解決法はかなり目からウロコでした。

  • とりあえずでかいテーブルにカレンダー(土日入り)を描く
  • んでそのテーブルカレンダー上にポストイットでタスクを置く
  • そしてそのテーブルを会社のど真ん中に配置して動線を邪魔する

とにかく邪魔な位置にある馬鹿でかいテーブルに週の予定がででーんと書いてあるので、ホワイトボードなどと違い「どうしても見ちゃう」という状況が作られ、さらにそのテーブル上で会議もやるもんだから「何が進んでいて何がはじまろうとしているのか?」が自然と耳に入ってくる。

貼られたポストイットに書かれたタスクは個人ごとに色分けがされているので「あーあの人今週忙しいのねぇ」を相互に把握できるし、終わったタスクは『剥がして捨てる』ため終わったー!という快感が生まれる。

...というわけ。

ちなみに講演終了後に「これかんばん方式の変形版っすよね。導入してたんですね」と田口さんに聞いてみましたが、当の田口さんは「なにそれ?すごいやつなの?」とか言ってました。さすが。

「標準的な進め方でやってほしい」なんて制作案件は存在しない

もう一つ感動してしまったのが、田口さんのやってるデスクトップワークスの業務フロー改善について。

以下ざーっと書いてみますが、とにかく色々常識はずれなんですよね。

  • ヒアリングだけの会議をやらない。その場で要件定義と企画立案を一発で決めちゃう
  • ワイヤーを作らずいきなりデザインを持っていく
  • 差し戻しどんとこいのスタンスでモノありきで進める

ぶっちゃけ、上記のワークフローが正しいかどうか?と言われると僕は答えに困ってしまいます。

だって出来る人が限られるし、再現性が低いし、僕自身がやろうとしたら問題が多そうに見えてしまうから。

が、田口さんいわく「そりゃそーだ。これは僕のやり方だもん」だそう。

つまり「そういうスキルセットが揃っているチームにおいての最適解」ということなんですね。

考えてみればそんなん当たり前で、「できるだけ標準的なディレクション方法で案件を進めて欲しい」なんて要望をもったクライアントなんて存在しないですし、投下した資金がきちんと成果に繋がるならやりかたなんて誰も気にしないんですよ。

そこを疑ってみて、自分とチームにあった進め方を見つけ、んで結果を出す。

難しい話なのかもしれないですが、マネジメントって結局人間相手の話なんだからそもそも絶対的な標準化なんて無理なんだよね。と、教えられた気分でした。

ルールではなく「空気」作りと「疑う」重要性

今回のセミナー内容の全体を通して徹底しているように感じたのは

  • マネジメントはそもそも管理することじゃない
  • モチベーションを上げるルールなんて存在しない
  • つかそもそもモチベーションじゃ何も解決しない

みたいな考え方。

とにかくあらゆる仕事の進め方において、『正解』なんてものは存在せず、また『最適解』はあってもそれはチームと個人によって大きく異なるのが当たり前。

で、それを見つけ出すためにはマネージャー1人が悶々と考えていても全然無駄で、チーム全体を巻き込む必要がある。

が、個々人のモチベーションを上げようと頑張った所で巻き込むことなんて結局不可能。(そもそもモチベーションの持ち方が個々人で大きく異るから)

なので結果として全員で考えられるための「空気」をいかに作り出すか?が重要になってくる。

その空気作りのキッカケとして田口さんが実行したのが『今やってるコレって無駄多くね?』という問いかけであり、その解決に向けたチーム全体での試行錯誤だった。という事なんでしょう。

ついついマネジメントって言葉を聞くと「ルールを作って徹底させる」と瞬間的に考えてしまうのは、そこで思考を放棄してるも同義...ってことなんですよね。勉強になります。

仕事において「自分自身を疑う」のは、必ず最後に

もろもろ新しい考え方がいっぱいで面白いセミナーでしたが、ラストは僕自身にも突き刺さってしまった田口さんの言葉で締めくくろうかと。

何かを改善しようとする時、「自分自身を疑う」のは最後の最後にしたほうがいい

「自分が出来ないからだ...」と思い込んでしまっては思考が止まってしまう。それじゃ結局何もアクションが起こせないじゃないか。

あるあるですね。あるあるです。

あの時送ったメールの文面をもっと気をつけていれば...。
自分自身の知見が足りないせいで...。
もっと自分がちゃんとやっていれば...。

人間ですもの。何か上手く行かないことがあればこう考えてしまうもの。

が、そうではなく多少無理矢理にでも「○○に無駄が多いんじゃないか?」と考えること。それこそがあらゆる業務の改善にむけた思考のスタートなのだと田口さんは語ってくれました。

いやはや。やっぱりなんだかんだ言ってすげーです田口さん。気合い入りましたよ。

そして恒例の唐突イベント告知

さて、そんな田口さんと一緒に作った本の出版記念イベントとして、以下のようなセミナーを開催予定です。ナカムラも出ますんで、よろしければ会いに来てやってくださいな。

トップディレクターに学べ!超実践的スキル&キャリアの磨き方

「第一線のプロがホンネで教える 超実践的 Webディレクターの教科書」の著者陣による、
Webディレクターのためのスキル&キャリアアップの超実践的メソッドが学べるセミナーイベントです。

日時10月11日(日) 14:00~18:00(開場:13:30~)
料金500円(セミナー+ミートアップ)
会場FUKURASIA品川(高輪口)東京都港区高輪3-25-33 長田ビル6階
主催日本ディレクション協会

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あとこちらも!(会場の都合で思いっきり開催日が被りまくっていますが...)

かなりの豪華ゲストが登壇して『失敗談』と『超具体的なリカバリープラン』、そしてそれを可能にした手法と考え方を丸出しにしてくれるというレアなイベントです。

滅多に聞ける話じゃないので、こちらもぜひぜひ。

デキるディレクターの失敗時リカバリー方法に見る "キャリアと人生のSTEP" 走破術

mgnの大串さん、ロフトワークの藤野さん、エウレカのナカムラさん、グッドパッチの村越さん...という豪華有名ディレクター陣が集結!自らの失敗談とそこからのリカバリー術、そしてキャリアプランについての考え方をお伝えしてくれます!

日時10月11日(日) 13:00~18:00(開場:12:30~)
料金2,000円(セミナー+ミートアップ)
会場クリークアンドリバー2Fセミナールーム千代田区麹町2丁目10番9号
主催日本ディレクション協会

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