サイトを企画・設計する前に決めるべき14の項目(ディレ協主催「0ディレ」講演レポ)

0からのウェブディレクション講座 設計編」に行って来ました!今回の講師はディレ協所属、DCHSの高瀬さん。レポートは初登場のユースケです!よろしくです!

制作に”入る前”こそ重要

今回は設計編ということで、サイト制作に入る前段階で「明確にすべき項目」と「その方法」にスポットを当てた講演内容となっていて

  • 企画そのものの成功率を上げるに何を知るべきか
  • スムーズに制作を進めるためには何を準備すべきか
  • プロジェクトを高速で進めるための戦略のとりかたは?

といった、現場のディレクターにとって重要すぎるほど重要な内容がギッシリな”濃い”講演でした。

意図不明なサイトや、ぜい肉たっぷりなサービスができあがる原因はどこにあって、どうすれば解消できるのか?今回僕が学んだことを一気に並べて共有したいと思います。

資料スライド公開

このレポート内で紹介している14項目について、講師の高瀬さんが公開してくれています。ぜひぜひ参考にしてみてください。

縦型スライドで見る

プロジェクトそのものと周辺の課題の洗い出し

まずはプロジェクトの主題になる「ビジネスのタネ」は世間的にみてどんな状況なのか?を考え、以下の1~4の項目を紙などに書き出してみるよう教わりました。

  • プロジェクトの背景を洗い出す
  • プロジェクトの課題を明確にする
  • プロジェクトの最終目的を共有する
  • シーズ&ニーズを把握して市場を探す

さてどうしましょう。この時点でかなりやったことの無い内容が多く、自分の仕事を振り返って絶望的な顔をしていたと思います。ディレクター2年目の伊藤です。

言われてみればその通りなんですが、これからビジネスにしようとするネタが現在どう世間から思われているか?という背景があって、それをなんとかするための課題があって、その課題を超えた先に最終的なプロジェクトの目的があって・・・
で、具体的にどうやって課題を超えて最終目的を達成するのか?を洗い出すために市場のニーズと自サービスの持っているシーズ(ネタ)を詳細に把握する。

当たり前すぎてどこにも明文化してなかったんですよね。

振り返ってみるとその「明文化しないこと」がこれまで自分の抱えるプロジェクトの問題の最大要因になっていたんではないか?と。

チームでプロジェクトを進めるにはこの大前提部分をチーム全員で完璧に共有していないとどっかでズレが発生する。そのリスクを回避するためにデキるディレクターさんはこんなことやってたんだなぁーとめっちゃ勉強させてもらいました。

プロジェクトの提供するサービスが属する市場を知る

で、ここからがこれまでの僕に最も足りていなかった項目。いわゆるマーケット調査ってやつです。

本気で「ここまでやるか?」とか思いましたが、ワークショップで実際にこの工程を体験してみて納得。ここを考えておくと発想の幅が思いっきり広がるんですよ。

5.業界地位の確認

同業界のサービスをリーダー(業界No.1)、チャレンジャー(リーダーに真正面から挑んでいる2番手)、フォロワー(リーダーとかチャレンジャーの真似をしてるとこ)、ニッチャー(独自路線で戦う連中)の4つの属性に分けてみます。

スライドの中ではなぜか「井戸」というよくわからない例が使われていましたが、例えば僕の本業である就職支援系のサービスで考えるとしたら以下のような感じでしょうか?

  • リーダー:リクナビだろうなー
  • チャレンジャー:マイナビとかFind Job!あたり?
  • フォロワー:キャリさぽとかリジョブみたいな
  • ニッチャー:Wantedly、JobShareとかでしょうか?

6.SWOT分析

マーケに全然関わってこなかった僕でもなんとなく聞いたことのあった「SWOT分析」。正直どうわければいいのか分からず、ワークショップでも混乱しきりでしたが、やっぱりやっておくと脳内で「そのサービスはどうあるべきか?」がハッキリしてきたような気がします。

内部要因の良影響が強み、悪影響が弱み。
外部要因の良影響が機会(チャンス)、悪影響が脅威(ピンチ)

強みとチャンスを知ることで、自サービスは何をどこに打ち出していけばいいのかがわかり、弱みとピンチを知ることで、何に気をつけて、どこを改善していけばいいのかがわかる。らしいです・・・難しい。。

7.ポジショニングの確認

市場の中で、ライバルと自サービスがどのへんに位置するのか?を把握し、どの方向にサービスを改良すればいいのかなどを見つけるための物。

まずユーザーが期待するニーズやメリットを、見方を変えて2軸に分けます。

で、その後自サービスやライバルがどこに位置するのか。空白の位置に新規サービスを展開するなんてことも考えたり考えなかったり。といった感じで使うそうです。

企画前のブレストに使えそうですね。

8.競合比較

ライバルと自サービスと比較するためのシート。エクセルなんかでコンテンツ一個一個を比較するよりもずっとわかりやすかったですね。このシートはこれかも僕の実務で大活躍しそうな気がします(多分)

横にライバルを書き出して、比較したい項目を並べるイメージです。完全に同じじゃなくても同じユーザーを取り合いになる場合はライバルとして比較してみます。

9.ペルソナモデルの確認

講師の高瀬さん曰く、ユーザーモデルは可能な限り具体的に、あたかも実在する人物を紹介するように設定する事が必要なんだとか。高瀬さん本人はあまり複数のペルソナを設定せずに「この子!」と決めた1人のユーザーを想定するらしいです。

  • 基本特徴:職業、年齢、外見の特徴や、名前など
  • 行動特徴:その人はよくどんなことをする人か
  • 意識特徴:どんな好き嫌いがあるのか、何に喜びを感じるのか

ユーザー像を具体的にしておくことで、悩んだ時に「ペルソナに設定した人ならこっち」と考えることができることが重要なんだとか。

そのため大人数に受け入れられるサイトより「○○さんの為のサイト」と定義するために”たった一人のペルソナ”にこだわるらしいです。

僕が知っていた従来のペルソナ定義方法とは随分と違っていてビックリ。
でも確かに。という感じです。

プロジェクト本格始動前の最終準備

現状を正確に把握して、そのサービスで取りにいく市場とターゲットを明確にした。そしたらいよいよ「何をやろうか?」を明確にしていく作業に入ります。

僕自身もそうでしたが、ほとんどのディレクターさんはいきなりここから考えようとしてしまうので『なんかに似ているサービス』や『なにかの劣化版サービス』になってしまっているような気がします。

反省しつつ、以下具体的な項目をまとめてみますね。

10.プロジェクトの施策の草案をチームで作成する

9までの項目でいわゆる3C(自社、ライバル、顧客)が明確になっているので、ここから何をするかを”チームでブレストしながら”決めていきます。

  • 自サービスは業界的にどの位置にいて
  • どんな攻めポイント、改善ポイントがあり
  • ライバルには、どんな企業が何の強みを持っていて
  • 自サービスとどんな点で被っていて
  • ユーザーは、どんな人で何を求めているのか。

以上を踏まえ、どこに向けてどんなサービスを展開していくのかを決定していきます。ここはもう確実に「チーム全員」で考えるべきだと強く感じました。

11.ユーザーベネフィットを想定する

カタカナだといまいちピンと来ないですが、要するに「ユーザーはそのサービスと使ってどんな風に感動するの?」という部分への答えを作り出す。みたいなイメージになると思います。

  • 自サービスを使うユーザーの利点はなんだろう?
  • ライバルのサービスよりウチのサービスのほうが優れているメリットは?
  • どのタイミングで何といってユーザーは喜ぶ?

そんな感じのリストを、これまたチームで揉んで結論にしてしまうのが重要なんだとか。

12.KPIを設定してサービスの成長率を測れるように

これはもう僕自身も毎日毎日言われて嫌になりかけていた言葉ですが「KPI」・・・要はそのサービスで追っかけるべき数字の設定ってやつですね。

これは数値化できる項目であることが前提なのですが、一見数値化が難しそうな、「満足度」なども「満足する理由」や「満足によって起こすアクション」まで考えると数値化できるらしいのです。(※「サイトゴールまでのスピード」「ユーザーからのクレーム数の減少率」など)

ついついKPIと言われると「会員純増数」とか「申し込みCVR」とか「問い合わせ数」だとか。。数字として取りやすいところばっかりに目が言ってしまいがちですが

あくまでユーザーの視点に立ってユーザーにとって満足してもらえたか?をどう数値として取っていけるか?
そこから考えるのが大事だ。という教えにはメカラウロコな気分でした。

13.KGIを明確にしてちゃんと利益を出していく

サービスが生み出す利益の指標を数値化したもの・・・と言ってもなんだかわかりませんが、結局どっから何の利益を生み出すのか?でそれはどの数値でもって評価するのか?て事をこの段階で明確にしておくそうです。

前段のKPIは、あくまでKGIを達成するために監視しておく数値。
と考えると、この2つの数字の関係性がよくわかりました(というかそう教わりました)

14.サイトスローガン(コンセプト)の設定

前段までの全項目をすべて脳内に叩き込んだ上で全チームメンバーが動ければ何の問題も無いんですが、正直全部覚えろったって・・・他にも仕事あるし・・・となるのが当たりまえ。

じゃあどうするのか?⇒覚えやすい短いコピーにしちゃえばいいじゃない!ということみたいです。

なのでこの言葉は簡潔かつ明確に、印象に残る言葉にします。プロジェクト全体を貫くキャッチコピーみたいなものですね。

まとめみたいななんかそんなん

さて、正直僕自身レポートにまとめながら全然まとめきれていない印象ですが、全体を通じて感じたことがあるのでここで言い切ってみたいと思います。

ディレクション…特に企画の部分は一人でやるもんじゃないな。

これに尽きると思います。

今回、プロジェクトの企画・設計段階に関する多くの前提項目をワークショップで作成してみて感じたのは、「自分が一人でやるより何倍も早く何倍も面白い」ということ。

なんとなくこういう項目ってディレクターが一人で頑張るものって印象があったんですが、それが間違いだったことを痛感してしまいました。

当たり前ですが複数の脳みそで考えたほうがアイデアの出てくるスピードも広がり方も段違い効率的なんですよ。発表用の資料が完成した時には「このチームでならすぐにプロジェクト回せるんじゃない?」とか感じてしまってました。

今回はあくまで講演の中での一時的なチームの中での実感でしたが、ぜひともこれを実務の現場に持って帰って「チームのみんなで企画する」という新しいワークフローを実現してみたいと思っています。

高瀬さんから配布された資料、そのままパク・・・活かさせていただきます!

もっかい資料スライドの公開

このレポート内で紹介している14項目について、講師の高瀬さんが公開してくれています。ぜひぜひ参考にしてみてください。

縦型スライドで見る

この記事を書いた人:伊藤ユースケ

ディレ協の講演が売り切れ⇒無理やり電話して割り込み参加⇒そのまま事務局メンバーになってしまった元気野郎。もともとディレクターズマニュアルの読者だったが、ナカムラにそそのかされていつの間にかライターとして参加。

Facebook:https://www.facebook.com/itou.yusuke