ディレクターが指摘すべきデザインの注意ポイント10個

ずいぶん久しぶりの投稿になってしまいました。申し訳ない。
今回はタイトルの通り、ワイヤー上がった!デザイン依頼した!で上がってきたデザイン案(もしくはモックアップ)を見て、その段階でディレクターが何を「確認」すればいいのか?という内容についてです。
もちろん経験を積む。もしくは自分自身でデザイナーも経験するなどの機会に恵まれれば大丈夫なんですが、僕みたいに「いきなりWebディレクターという肩書きを与えられてしまった人」は、デザインの何を確認すれば良いのか分からなくなってしまうケースも多いんじゃないかな?と思って書いてみました。
実際にはマークアップ後まで影響してくるので、もっともっと項目は伸びると思うのですが、ひとまず僕が注意して見ているポイントを10個ピックしています。

色数を使いすぎていないか

あれもこれも!と欲張りすぎて、結局なにが「一番強調したいのか」が分からなくなってしまっている状態には即座に注意を入れます。
デザイン歴が浅いデザイナーさんによくありがちなポイントなんですが、様々な要素をそれぞれに強調しようとして色の数が極端に多くなってしまう事があるので極力色の数は少なくて済むようチェックをしています。
具体的には色んな色で強調装飾を行っていたところを、同系色の濃淡で表現するよう指摘してみる感じが多いですね。

写真を「目的に沿って」補正・加工しているか

基本的な補正部分はもちろんですが、その補正や加工の処理が「その写真を使う用途に合っているかどうか?」も同時に見ていきます。例えば・・・

・いじくりすぎて色が飛んでいないか
・書き出しの品質が高すぎて重くなっていないか
・または品質が低すぎて荒くなっていないか
・暖かな雰囲気を見せたい商品写真なのに白っぽくて無機質
・力強い印象を持たせたいのにコントラストが低めでやたらキレイ
・食品系の写真なのになんか青っぽい

なんていうことが起こっていないか?のチェックです。Webって解像度が低いので、多少写真が荒くてもデータが重くても「ま、いーか」で何とかなっちゃう場合が多いんですが、その分、ちゃんと補正をしてあげるとそれだけで他サイトと差別化できますし、なんと言ってもユーザーの反応が大きく違います。やっぱ大事なんすよ。写真って。

フォントを使いすぎていないか
使用フォントがコンセプトに合っているか

つまり、悩んだあげくフォントに逃げていないか?を見てる感じですね。
これまた経験の浅いデザイナーさんにありがちなパターンなのですが、バナーや見出しなどを作成するたびに装飾しているうちにフォントの種類が多くなりすぎてしまうケースが多々あります。
これが進行してしまうと、一個一個のデザインはしっかりしているのに、全体としてちぐはぐで不安な印象を与えてしまうことになるので、よほどの特別な目的が無い限りフォントの種類は少なく(あるいは似たフォントを使用する)よう指摘します。

可能であればフォント選びにおいてもサイトのコンセプトを設定したディレクターが確認をしたほうが良いです。細かなフォントの知識は無くてもいいので「なぜこのフォントを選んだの?」と確認した上で、そのフォントが制作しているサイトのコンセプトにあっているかどうか?を確認していきます。

強調するべき所を強調しているか

サイトの規模が大きくなったり複雑になったりしてくると「何を最も強調すべきか?」がわかりにくくなってしまい、デザインの上でその迷いがそのまま形になってしまったりします。もちろん最初にコンテンツの優先度を完全に共有できていれば全く問題無いんですが、そうはいかないケースもまた多くあり得ます。
なので、とにかく強調なくてはいけないポイントの優先度がきちんと形になっているか?を確認するんです。

全部を全部強調したら意味がない。
じゃあどこを強調するべきなのか。
言い換えれば「ユーザーにどの順番で読んで欲しいのか」を明確に表せているかどうか?を判断基準にします。

装飾にレギュレーション(ルール)を設定しているか

これ。結構大事です。
わかりやすく言うと、「ユーザーに何かを決定させるボタン」と、「ユーザーに別ページへリンクさせるボタン」の装飾が一緒じゃダメダメなので、その辺をちゃんと見ましょう。って話です。
そのWebデザインの中に、守るべき基本的なデザインルールが存在しているかどうか?を確認する項目です。
正直これを設定していないと、同じようなことをさせるためのボタンに種々雑多なパターンが発生してしまったり、同じコンテンツへのバナーリンクなのに掲載位置ごとにテイストが微妙に違ったり・・・といった目も当てられないような状態が発生します。
なので、出来る限り早い段階で確認しておきたいポイントですね。

レギュレーションの優先度がユーザビリティを超えていないか

上記で触れた内容の続きみたいな感じですが、
「このサイトのデザインルールはこうだ」と決めた上で、「いや、そうは言ってもココではこうした方が絶対使いやすいよね」という例外が発生した場合。
ユーザーの使いやすさやわかりやすさを超えてルールを優先してはいけないよ。だからちゃんとユーザビリティを優先しましょうね。というお話。
あくまでルールはルール。ユーザー目線で考えて「こっちのほうが使いやすい」と判断すれば、迷わず特例を設けるべきだと僕は信じています。
※とはいえやりすぎはもちろんダメですが。

「流行り」を意識しているか

要するに「今っぽいかどうか」ってやつです。
ただし、あんまり強くは指摘しません。どっかしらのパクりになっちゃったら意味ないですからね。
全体として古くさくないかという点と、デザイナー自身がどれだけ今のデザインの流行を把握しているかの確認程度です。
特にコンバージョンのポイントになるフォーム周りなどの進歩は日々凄まじいものがあるので、より使いやすく、よりわかりやすい形になっているかどうかをチェックしていきます。
この辺、ちゃんとチェックできるようにディレクター自身もアンテナ貼っとかないとですよね。

ワイヤーで定義した目的を達成しているか

ディレクターが書いたワイヤーを壊すことは全然OKです。むしろ大歓迎です。
ただし、想定したユーザーに何かを見て、何かを感じて、どのルートを通って、何をさせたいのか。この大前提がぶっ壊れるようなデザインになってしまっている場合、それは止める必要があると思います。
複数のコンバージョンが想定されているサイトで、かつ大胆なデザインを要求される場合に多く起こりがちなので、事前に「このサイトは結局のところユーザーに何をさせるためのサイトなのか」をよくデザイナーと共有しておく必要がありますね。

オペレーターになっていないか

今度は逆に、「ワイヤーそのまんま」のデザインになってしまっていないか?のチェック項目です。
ユーザー層やコンテンツの内容がガッチガチに決まっていて、ワイヤーの完成度が高い場合にまま起こりますので注意が必要。ワイヤーは大抵の場合事前にクライアントに見せているので、「ワイヤーが豪華になっただけ」のデザインだと予想の上を行くことができず、うまく行かない場合があるのです。
指摘しずらい部分だとは思いますが、僕はあえて「なんだこれ。これじゃワイヤーのまんまじゃねーか」みたいなことを伝えてしまいます。変に気を使いあってしまって中途半端なものになるよりハッキリ伝えてケンカしたほうが良い物になりますから。

すべてのデザインに根拠を持っているか

・なぜこの要素はここにあるのか。
・なぜこのボタンの色はこの色だったのか。
・どうしてこの画像を使ったのか。
・イラストにしなければいけなかった理由は何か。

数え上げればキリが無いですが、極論として本来問題解決の手段である『デザイン』には「なんとなく」という理由は存在しないはずなんです。
たとえそれが、「そっちのほうが格好いいから」とかであったとしても。
ただし、ここで留意しておきたいのは、「格好いい」や「使いやすい」と感じる対象はあくまでユーザーであると想定すること。
ユーザーにどう感じて欲しかったのか、ユーザーに何を見て欲しかったのか。それがキチンと説明できるデザインかどうか?を確認していきます。理想は見ただけでディレクターがその意図を把握できること。
デザイナーにいちいち口頭で確認を取るのではなく、逆に「聞かなきゃ意図が分からないデザイン」があれば、そこを突っ込む。みたいなチェックを心がけています。

以上となりますが、これらは、全てWebディレクターの「確認項目」として挙げたモノなので、デザインの細かなポイントや装飾手法についてはあえて触れていません。装飾手法のアドバイスや好みの注文からちょっと目を離して、俯瞰的に「そのデザインは問題を解決するための手段として適切か」を見ることができるのがディレクターですので、今回はこの辺に注力してみました。
他にも「こういうこと見ないの?」というツッコミ大歓迎です。