プロジェクト巻き込み力を最大化するディレクション 超具体的アクションプラン(CSS Nite LP40レポ)

はいどーもこんにちは。ナカムラです。

もう結構前の話になっちゃうんですが、先日CSS NiteのLP40『体制作りからクライアントを巻き込むディレクション術』というセミナーイベントに参加してきたので、そのレポートをば。

全5講座+LT4本。5時間ぶっ通しでディレクションの話ばっかりするという割とアタマおかしい感じのイベントだったんですが、メインの講演5本中3本がロフトワークという無双っぷりでした。

が、それも納得!と言わざるを得ない ぶっ飛んだ内容に感動してきましたので、以下紹介してみたいと思います。

プロジェクト成否を決める『関わる全員のモチベーション』をいかに上げるか?

かなりたくさんの有名ディレクターさんが濃い話をあれこれしてくれた本イベントでしたが、とりあえず全員が共通して主張していたのは「全員のモチベーションをどう上げるか?」という部分。

現行プロジェクトのアサインメンバーや制作スタッフだけでなく、それこそクライアント担当、担当の上の人と横の人、まだアサインしてないメンバー、派遣で来ている臨時メンバーなどなど。

一緒に何かやる、あるいはやろうと思っている人たち全員のモチベーションの高さこそが全ての成果に影響する。だからそれを何とかするために色々やろうぜ!それこそがディレクションの本題だろ!ってな感じですね。

ちょっとこれだけだと何言ってんのか分かりにくいですが、これについてものすごくシンプルかつ分かりやすく、具体的なアクションをロフトワーク重松さんが提示してくれてました。

ロフトワークがチームビルドのために『やらないと決めた』こと

ディレクションと言えばこの会社。と言っても過言ではない(?)ロフトワーク。

そのディレクターである重松さんが、チームビルディングに関して徹底して「やってない」ことが以下の項目らしいです。

  • 打ち合わせをしない
  • 議事録を書かない
  • キックオフをしない
  • 成果物を決めない
  • 想像しない

もうちょっと衝撃的すぎて一瞬アタマ真っ白になりました。

当然、僕自身も普通にやってることばっかりだったので「え?ちょ、それやらんで何やんの?」でしたが、以下見ていただけると多分納得できるかと思います。

打ち合わせをせずにワークショップを全員でやる

提案や議案を持ち込んでそれについて話してすり合わせる ... という打ち合わせではなく、『一緒に考えてなんかしらアウトプットする』までをクライアントと制作チームが全員でやっちゃうらしいです。

プロジェクトスタート前からいきなり「一緒に考える」+「一緒につくる」を体験として共有しちゃうってのは、確かに巻き込みパワー超強そうな気がします。メカラウロコ。(参考書籍:ゲームストーミング

議事録を書かずに動画でリアルタイムドキュメンテーション

単に情報を「共有」するだけなら確かに議事録で充分なんですが、これだと「共感」が得られない。

なので、ロフトワークではクライアント含めたチーム全員で上述のワークショップをやってる光景を動画に撮ってその場でサクッと編集 ⇒ ワーク終了直後にシェアして「あーだっただった!」みたいな共感を作り出す工夫をしているんだとか。

実際の動画

実際の動画も以下に載っけておきますが、iPhoneとimovieならこれで制作時間は正味1時間弱。早ければ30分くらいで出来ちゃうんですって。

 

多分、生涯で一番Macが欲しくなった瞬間でした。(ナカムラはWinユーザー)

キックオフをしないで愛を語り合うところからはじめる

今度はちょっとどころじゃなく意味不明ですが、つまり「作るもの」じゃなく「自分の愛するもの」について語りあう会をクライアントもデザイナーもエンジニアも関係なくメンバー全員でやっちゃう。ということらしいです。

何を作るか、よりも「誰とつくるのか?」を大事にしようとした結果辿り着いた手法らしく、一緒に作るやつはどんなやつ(誰)なのか?を、「愛するもの」起点でお互いにシェアしちゃう感じなんだとか。

これを行うことで、「○○さんの愛するもの」への共感がチーム内で相互に生まれ、「チームの愛するもの」になっていくらしーです。なるほど。

成果物を決めずに「作ってから考える」を徹底する

見出しを見ただけで「それはプロとしてダメだろ!」と言いたくなる人も多そうですが、これがチームのモチベーションに大いなる影響を与えるんだとか。

つまるところ「思いついたらサクッとプロトタイプ作っちゃおう」てな話なんですが、例えばプロモーションムービーを "割と勝手に" ペッと作って「こういうのあったらよくない?」とメンバー全員が入ったチャット板に投げかけちゃうようなイメージ。

確かにほんの少し前なら、割と工数のかかる話だったでしょうし「それはプロとしてやっちゃダメ!」だったのかもしれません。が、ムービーやプロトが割とサクっと作れるようになってきた昨今であれば...アリかも?ですよね。

「あったらいいよね!」が「すでにあるシーン」をシェアしてしまうわけですから、見たら誰だってテンション上がりますし、やらないで後からもめるケースを想定すれば、もしかしたら大して手間は変わらない...どころか短くなるかもなわけですし。

モチベーション高く巻き込みたいなら未来にワクワクさせろってトコですかね。

想像だけで止まらず実際に聞いて絵にする

マーケティングやら設計やらで出てくるユーザー行動のシナリオについて、机上の想像で終わらせず実際にオフィスから出ちゃおう。

んで、ユーザーになるだろうと想定した人たちに「○○な時って▼▼なことするの?しないの?」と言った具合で聞いてみよう。みたいな話ですね。

このセミナーで喋ってくれた多くの登壇者さん達が共通して主張していた項目だったりもするんですが、要するに...

  • ググって分かった気分になるな
  • ユーザーの心理シナリオ書くなら直接聞きに行け
  • 定量データはあくまで参考値。コンテンツ作りにはあんま意味ない

てことかなーと。

必ず実際にオフィスから外に出て、ユーザー行動の想定と実際の行動の差分を確認すること。で、それをコンセプトマップやストーリーボードに落としこんで、それをクライアントと一緒に作っていく。

コンセプトマップ例

ストーリーボード例

ここまでを最初に紹介した(クライアント含めた全員参加の)ワークショップでやってしまうことで、「○○を作って!」という形になる前段階からメンバーを一気にプロジェクトに巻き込んでいく。

...というか、プロジェクトの蹴り出し自体をチーム全員でやるような座組に組み上げてるらしいです。

いやはや...なんというかさすがロフトワーク。やっぱり半端なかったです。

B to D(ビジネス to デベロッパー)のコミュニティ設計がこれからの鍵になる?

で、さらにセミナーの最後では、同じくロフトワーク社長の諏訪さんが「なぜロフトワークがこのやり方に辿り着いたのか?」に対する答えとも言えるようなCoolな講演をぶっ放してくれましたのでこちらも紹介。

全く関連の無さそうな(ていうかWeb関係なさそうな)プロジェクト達ですが、諏訪さん曰く、上記は全て『プロジェクト未満の案段階』から、ユーザーやデベロッパーを巻き込んでコミュニティ化させることで大きなイノベーションを生んだ事例なんだとか。(いずれもロフトワークが絡んでるらしい)

事業は完成するまで世に出さない

成果物は完成するまで依頼者やユーザーに開示しない

プロジェクトは概要かたまるまで制作陣に知らせない

なんとなーく 僕らが信じていた『古ぼけた慣習』を捨て、とにかく「なにしよっか?」段階からより多くの人を巻き込んでコミュニティとしてアウトプットの概要を考えていく。

そのほうが結局早いし楽しいし、なにより成功確率が上がるよね。という、なんだか夢のようなお話でした。

しかし言われてみれば確かに...なんですよね。

クローズドな環境でモノを作って、当たるか当たらないか分からない状態でプロモーションコストをかけて・・・なんてデンジャーなことをやるより、オープンな環境で多くの人と「一緒に作って」しまえばそのリスクも低減する。

なのに一生懸命リソースをぶっこんで必死で秘匿してどーすんの?ってことなんでしょう。

ロフトワークの常識はずれなワークフローはこんな考えから生まれたんですね。納得。

チームビルドの努力は「弓を引く作業」に似ている

良いプロジェクトってなんだろう?

そんな事を考えた時、「メンバー全員が高いモチベーションを持ってプロジェクトの成果にコミットしていること」くらいまでは誰でも考えつくと思うんです。

が、その先の実際のアクションプランを具体的に作り出し、かつ実践してるなんて話は正直初めて聞いたので、結構ビックリしちゃいました。

まぁ実際やろうと思ったら間違いなくカンタンなこっちゃないんでしょうが、その「実施時の面倒さ」についても、重松さんがいい感じのこと語ってくれていたので以下抜粋しておきます。

「確かに面倒です。が、チームビルドの努力は例えるなら弓を引くようなもの。最初は大変だし時間はかかりますが、最終的なユーザーへの価値提供と、それによるビジネス的成果への到達は結果的に早くなるんですよ。」

ですって。

いやー勉強なりました。ソッコー実践していきます!

上記のワークフローを体感できるイベントをロフトワーク×○○でガチ開催!

で、なんと今回紹介した『ロフトワーク的ディレクションワークフロー』ですが、とにかくナカムラ本人が体験して身につけたくて仕方なくなってしまったので、諏訪社長に頼み込んでイベントにしてしまいました。

実際に○○さんに「なるべくフワッとした課題感ややりたいこと」を持ち込んでもらい、クライアントと一緒に「愛するものは何か?」トークから入りチームビルド。

その場でコンセプトマップとストーリーボードの作成ワークショップを行いつつ、その様子をムービーに仕立てて発表!

と、ここまでを1日でマジ体感できる前代未聞なイベントです。

多分ソッコー売り切れちゃうやつなので、お申込みはお早めにー。

クリエイティブが加速するチームビルディング @ ロフトワーク

なんとあのオーディオテクニカのWebブランディングを、ロフトワークのディレクターと本物クライアントと一緒に考えながら上述ワークフローを体験できちゃうというトンデモイベント!ナカムラももちろん行くよ!

日時7月18日(土) 13:30 ~ 20:00(開場:13:15~)
料金5,000円(セミナー代+ミートアップ軽食代)
会場loftwork COOP東京都渋谷区道玄坂 1-22-7 道玄坂ピア10F)
主催ロフトワーク(共催:日本ディレクション協会

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