「ファシリテーション」というディレクション必須スキルの要点まとめ

はいこんにちは。ディレ協 関西出原です。

最近あっちゃこっちゃで耳にする「ファシリテーション」について、Webディレクタースクール(デスクトップワークス)田口真行さんの講演を聞く機会がありましたのでちょっとレポートしてみます。

いやいや、完全に舐めてました。ファシリテーション、ディレクターにとっては必須スキルっすよ。これ。

まずファシリテーションってなに?

一般的には「会議の進行をスムーズにする人&そのスキル」みたいな認識になっている(ような気がする)ファシリテーション。

講師の田口さん曰く、Webディレクションにおけるファシリテーションとは「ブレインストーミング(ブレスト)という大海原に漂う船を目的地にたどり着かせること」。つまり、ファシリテーターとは船におけるキャプテンを指すんだそう。

......うーむ、わかったような分からないような。

なんだか難しそうに聞こえてしまいますが、実際やってみると思ってたよりずっとカンタンでした。

そこにはハッキリとした「やり方」が存在していたので、以下に紹介してみますね。

"良いファシリテーション"に必要な3箇条

1.まずは場の流れを楽しむ

優れた会議とはなにか?とか言い出すと話が終わらなくなるんで、ここでは一旦「参加者がスムーズに発言し、それがスパッとまとまりつつ進むこと」と仮定します。そこで必要になるのが以下の要素。

  • 参加者が発言しやすい空気
  • 全体として前向きな雰囲気
  • 決まりそう!という期待感

ものすごく曖昧ですが、これが無いと上述のよう「ゴールに向かう集まり」とはならないらしいです。で、実現するためには「参加者全員が楽しんでいる」ことが絶対条件。

上記の空気とか雰囲気、期待感ってのはつまりそういうことを指していて、これを仕事で実現するためには「ファシリテーター本人が楽しんでなければ無理」ということでした。

クライアントや制作チーム、そして自社内の上司ととにかく会議が多くなりがちなディレクターにとって、まぁぶっちゃけつまらないものだと思います。僕自身もあんまり好きじゃありません。

でも、だからこそ今回の講義では「だから君は場の流れをコントロールできないんだよ」と言われたようで結構少なくない衝撃を受けました。

プロジェクトの進行を担うディレクターがファシリテートしなくてどうする。そのために楽しまなくてどうする。楽しんで無いやつが場の流れを掌握するなんてどうやるんだ。

うん。反省。これからは楽しんでやってみます。

2. 配慮しつつ遠慮しない

いやそれができるならやってるよ!て感じですが、要素を抜き出すとつまり ...

話したそうにしている人に声をかけ、話が長い人をうまくなだめ、鋭い意見にフォローを入れ、とにかく場を盛り上げて回す。てな感じです。

ここ、ちょっとポイントが多いんでまとめますね。

  • 少し場から離れて見ること
  • 配慮と遠慮を履き違えないこと
  • 特定のだれかではなく全員に気を配る

少し場から離れて見ること

ファシリテートする人間が前のめりになりすぎると場の把握が難しくなります。

いち参加者としてはそれでいいのかもしれないですが、ファシリテーターとしてはそれではダメと気付かされました。

前向きな空気を最大限に広げる第一歩は楽しむこと。まずはここから始めることが大事なんだとか。

配慮と遠慮を履き違えないこと

配慮とは相手のことを考え気を配ること。配慮することで意見が出やすい空気を作っていきます。

話したそうにしている人はいないか?
話が長い人のまわりがダラけていないか?
あまりに鋭い意見で、場が固まっていないか?

そんな変化を見逃さず、話したそうにしている人に声をかけ、話が長い人をうまくなだめ、鋭い意見にフォローを入れ、とにかく場を盛り上げて回していくんですえ。

「配慮しているつもり」が、「ただの遠慮」になっているケースも多いので要注意。

配慮と遠慮の違いは、考える対象が相手なのか自分なのかということ。

相手のことを考えた結果の行動であればそれは配慮であり、自分のための行動であればそれは遠慮となります。

こう言った方がいいと思うけど、それによって自分がこう思われるのは嫌だからやめとこう...ではなく。こう言った方が相手のためだと思うから言っちゃおう!なのです。

特定のだれかではなく全員に気を配る

読んで字のごとくですが、「そこにいる全員」に対して気を配る事が重要なんだとか。

コツは少し場から離れて見ること。前のめりになりすぎて場に入り込むと、逆に見えなくなってしまうから。楽しむこととのバランスがとても重要なんだそうです。

いや、言われればその通りなんですが、改めて意識するとワークショップ中の会議がはかどるはかどる。ビックリしました。

3. マイナス意見に引っ張られない

多分かなりの人が経験あると思いますが、こんなケースです。

自分が好きなモノを人に進める
 ⇒「何がいいのかわからない」的なことを言われる
 ⇒うまく説明できずにイライライライラ
 ⇒自分でもなんで好きなのかわからなくなり意見グダグダ
 ⇒空気ドヨーン

これがつまり「マイナス意見に引っ張られている状態」ですね。

基本、ファシリテーターってイライラしちゃダメなんですよ。

「なぜ相手ネガティブな意見を返してしまうのか?」「なぜ興味を持てないのか?」そこを深堀りして議論に繋げないといけないらしいのです。

ブレストでうまくアイデアを引き出すポイント

自社内で新規企画のネタ出しをやってるとき、クライアント担当者と「どーしよっか?」なんてウダウダやってるとき。

ちょいちょい始まるのがもはやネタ出し会議の定番手法となった「ブレインストーミング(ブレスト)」です。

このへんのやり方についてはなんか色んな宗派があって、皆が皆「俺が正しい!」と主張しているので若干記事ネタとしてタブー感もあるんですが、今回の講義でかなり明確に学べた(ような気がする)ので、以下に紹介してみます。

明確な役割分担をする

自由に発言してもいいとなると、案外何を言えばいいのかわからなくなるもの。

そんな時「ポジティブなことを言ってみて」「ネガティブなことを言ってみて」という感じで条件を付けると途端に言いやすくなります。

今回の勉強会では以下のような役割を事前に作り、その場で参加者を各役割に割り振っていきました。

  • 司会
  • 超ポジティブ
  • 大好き
  • 興味ない
  • 裏回し
  • 大嫌い
  • 超ネガティブ

「司会」はお題を確認し、参加者に話題をふり、タイムキープも行い、話をまとめる総合的な進行を担う人。

「超ポジティブ」「大好き」「興味ない」「大嫌い」「超ネガティブ」は、それぞれお題に対してその視点からの意見のみを言う人。

「裏回し」という聞きなれない役がありますが、例えるならバラエティ番組のガヤ芸人。突然新しい話題を出してみたり、誰かの発言に勢い良くノッたりツッコんだり。場が止まらないように盛り上げるという非常に難しい役回りです。

具体的な進行のイメージとしては以下のような感じ

  • 「司会」が目的地を定めて進路を確保し
  • 「裏回し」が船を止めないように帆を張り
  • その場の中で各自の役割に合わせて意見をぶつける

今回はこれを参加者で持ち回り制にし、何回かブレストの練習をしました。

さすがに数回やっただけではうまくまとめるところまでは行かなかったんですが、アイデア自体は最初に役割を決めずにやったときの3倍は出ていたはず。それだけでも効果を実感。

「司会」と「裏回し」の役がそのままファシリテーションに繋がるため、ブレストの練習にもなるしファシリの練習にもなるという、なんとも効果的な練習でした。

「もしも●●だったら?」強制アイデア絞り出しメソッド

いくら役回りを意識したところで、アイデア出しに詰まる場面はあるもの。そんなときに有効なのが、「もしも●●だったら」と自分を誰かに見立てて考える方法。通称「もしもシリーズ」です。

「もしも織田信長だったら」「もしもスティーブ・ジョブズだったら」というように著名な人物でもいいし、「もしも取引先の社長だったら」「もしもクライアントだったら」など身近で具体的な人物でもOK。

著名人など特徴的な人物をイメージすると、いかにもそれっぽいアイデアが出てきて、それにより場が和むという効果も期待でき、逆にクライアントなど身近な人物をイメージすると、より鋭く突っ込んだアイデアが生まれます。

余裕があればそれぞれのパターンで試したいところですが、大事なのは違う視点を取り入れることで場に変化を与えるということ。一つでも二つでも、是非試してみてください。

ファシリテーション力はディレクターの価値となる

一見よくわからない上に難しそうなファシリテーション。でもちゃんとポイントを抑えてみると、なんとなくできそうな気がしてきません?

実際そこまで特殊なことじゃないんです。だって普段の会話(コミュニケーション)の中で多少なりとも皆やってることを明確に意識してうまくやれってことですから。

極端な話、コミュニケーションの取り方ひとつで価値が大きく変わるディレクターにとって、ファシリテーションができるかできないかは、そのままディレクターの価値に直結する。とも感じています。

「無意識にやって上手く行くこともある」から、「意識的にやって上手くやる確率を挙げる」へ。思いのほかこの違いは大きいと思います。

ぜひ、ディレクションスキル向上の一環として、ファシリテーションを意識してみてください。


著者:出原 啓太日本ディレクション協会 関西支部
関西全域をこよなく愛するWebディレクター

田口さんもナカムラも登壇する出版記念イベントのお知らせ

『現場のプロが教えるWebディレクションの最新常識』発売記念イベント

著者陣が執筆を担当したトピックのなかからいい感じのメソッドを提供しつつ、書籍では書ききれなかった部分を解説しちゃおう。という割と豪快なイベントです。来てね。

日時8月31日(日)14:00~18:00(開場13:40)
料金1,000円(懇親会費別)
会場インプレスグループ市ヶ谷セミナールーム(東京都新宿区市谷本村町1-1 住友市ヶ谷ビル9階
主催株式会社エムディエヌコーポレーション

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あともし良かったらこっちも来てねー

0からのWebディレクション講座:運用編

※ディレクターズマニュアルの中の人、ナカムラがやってる運用系ディレクション講座。ワークショップとかもやります。